尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)
尋常性白斑(白斑)とは?
尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)は、肌に白い斑点が現れる自己免疫疾患です。尋常性とは「普通の」という意味です。初期段階では小さな斑点が1つ現れますが、徐々に数が増えたり、範囲が広がることがあります。小さい斑点は約1cm程度ですが、時には10cm以上、さらには体全体に広がることもあります。かゆみや痛みなどの症状は通常なく、外見上の変化が主な特徴です。
尋常性白斑の原因とメカニズム
白斑は、体の免疫システムが誤作動を起こし、自分のメラニン細胞を攻撃することで色素が失われる病気です。免疫システムは通常、外部の細菌やウイルスから体を守る役割を担っていますが、この場合、逆に体自身の色素を攻撃してしまいます。これにより、皮膚の一部が白くなります。
尋常性白斑の治療法
一般的な治療法には、ステロイド外用薬が使用され、免疫システムの過剰な反応を抑えることが目指されます。これらの薬物療法が効果を示さない場合、次の段階として**紫外線治療(ナローバンドUVB療法)**が選択されることが多いです。特に広範囲に白斑が広がっている場合には、全身的な紫外線治療が推奨されます。
当院では、限られた面積であればより高い効果が期待される**エキシマライト**を導入しています。この治療法は、特に難治性の白斑患者に有効とされています。光線治療を数ヶ月間続けることで改善が見られる患者もいますが、一部の難治例では、6年程度の治療期間が必要なこともあります。
手術による治療と長期的な見通し
白斑が完全に治らない場合、最終的には皮膚移植手術が検討されることがあります。当院では、手術が必要な場合には、専門の医療機関をご紹介することが可能です。治療には時間がかかる場合もありますが、数年をかけて改善が見られる患者も多くいます。根気強い治療が重要です。
まとめ
尋常性白斑は、時間とともに広がる可能性のある病気ですが、適切な治療を受けることで、症状を改善することが可能です。かゆみや痛みがないため見過ごされがちですが、早期治療が効果を最大化するため、症状に気づいたら日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を受診しましょう。