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やけど(熱傷)

やけど(熱傷)|北九州市八幡西区学研都市ひびきの、本城学研台の皮膚科専門医による皮膚科、アレルギー科。

やけど(熱傷)

【この記事のポイント(要約)】

すぐ冷やすことが最優先! 水道水で30分程度しっかり冷やし、水ぶくれは絶対に破らないでください。

自己判断は跡が残る原因に。 軽症に見えても深部までダメージが及んでいる「低温やけど」などには特に注意が必要です。

ひびきの皮ふ科の専門治療: 痛みを抑え、傷跡を最小限に留めるため、皮膚科専門医が適切な軟膏などを用いて治療します。(広範囲のやけどは診療所では無理なので大きい病院を受診してください。)

やけど

熱傷

やけど 水疱が破れ、びらんとなった第2度熱傷。紅斑も周囲にあります。

水疱が破れ、びらんとなった第2度熱傷。紅斑も周囲にあります。

掲載同意済
水疱が破れ、びらんとなった第2度熱傷。紅斑も周囲にあります。

化学熱傷

化学薬品がかかってやけどをしたもの。職場や、実験室で負傷することがあります。まずしっかり流水で洗ってください。化学薬品を洗い流しましょう。普通のやけどと同じく赤み、水ぶくれができます。ステロイドの塗り薬や、場合により抗生物質を処方します。ひどいと白や黒くなり壊死します。

紅斑とびらんがある化学熱傷

紅斑とびらんがある化学熱傷

掲載同意済

1. やけど(熱傷)とは? 症状と深さの分類

2度熱傷 赤みと水ぶくれがあります。4才

2度熱傷 赤みと水ぶくれがあります。4才 転載禁止

 

 やけど(熱傷)は、熱湯、火、熱い鉄板などに触れることで起こる皮膚の損傷です。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の観点から見ると、やけどの治療において最も重要なのは「どの深さまで皮膚がダメージを受けているか」を診断することです。しかし、これが最終的に分かるのはやけどして3週間後です。そこまではゆっくり進行するので確定できません。

深さによってⅠ度〜Ⅲ度に分類され、治療法や治るまでの期間、跡の残りやすさが大きく異なります。

🌡️ やけどの深さ(深度)と症状の比較表

👈  📱  👉
左右にスワイプしてご覧ください

深度分類 損傷が及ぶ深さ 主な症状(見た目・感覚) 治癒の目安 傷跡(瘢痕)のリスク
Ⅰ度熱傷 表皮(皮膚の表面) 赤み、ヒリヒリした強い痛み。水ぶくれはできない。 数日〜3週間 ほとんど残らない(一時的な色素沈着のみ)
浅達性Ⅱ度 真皮の浅い部分
2度熱傷 水疱が破れてびらんになっています。

2度熱傷 水疱が破れてびらんになっています。転載禁止

赤み、強い痛み、水ぶくれ(水疱)ができる。 1〜4週間程度 残りにくいが、色素沈着に注意
深達性Ⅱ度 真皮の深い部分 白っぽくなる、水ぶくれ。痛みをあまり感じない(神経の損傷)。 3〜4週間以上 残りやすい(ケロイドや肥厚性瘢痕のリスク)
Ⅲ度熱傷 皮下組織まで 蒼白、または黒く焦げる。全く痛みがない。 1ヶ月以上〜6ヶ月~ 大きな傷跡が残ることがある。皮膚移植などが必要な場合も。
⚠️ 専門医からの警告:
「痛くないから大丈夫」は大変危険です。深達性Ⅱ度やⅢ度の場合、神経が焼けてしまっているため痛みを感じないことがあります。

2. 北九州の地域特性から見る「やけど」の傾向と注意点

北九州エリア(北九州市八幡西区、若松区、遠賀町、岡垣町、水巻町、芦屋町、中間市)の気候や生活環境ならではの、やけどのリスクについてお話しします。

• 冬の冷え込みと「低温やけど(低温熱傷)」
北九州は玄界灘の冬の季節風(北西風)の影響を受けやすく、冬場は冷え込みます。そのため、カイロ、湯たんぽや電気毛布、こたつを長時間使用することによる「低温やけど」で受診される方が多くいらっしゃいます。低温やけどは見た目以上に深く進行(深達性Ⅱ度〜Ⅲ度)していることが多く、治癒に時間がかかります。糖尿病の神経障害のかたなどは感覚がおちていますので、注意しましょう。
• 夏場のアウトドア・レジャー
北九州市は海や山に恵まれ、響灘緑地(グリーンパーク)や芦屋海岸などでのバーベキューやキャンプが盛んです。火おこし中の事故や、熱された鉄板・網に触れてしまう事故、また真夏の直射日光による「重度の日焼け(サンバーン=Ⅰ度熱傷)」も増加します。

3. やってはいけない!正しい応急処置のステップ

やけどをしてしまった直後の行動が、今後の傷跡を大きく左右します。

🧊 応急処置の「3ステップ」
1. 【冷却】とにかくすぐに流水で冷やす
o 方法: 水道水を出しっぱなしにして、30分しっかり冷やします。
o 理由: 熱が皮膚の深部へ進行するのを防ぎ、痛みを和らげます。
2. 【受診】水ぶくれは絶対に破らずに皮膚科へ
o 方法: 清潔なガーゼやタオルで軽く覆い、すぐに「ひびきの皮ふ科」を受診してください。
o 理由: 水ぶくれの膜は最高の「天然の絆創膏」です。破れると細菌感染(化膿)のリスクが跳ね上がります。

4. ひびきの皮ふ科での専門治療

当院では、皮膚科専門医として「痛みを早く取る」「感染を防ぐ」「傷跡(ケロイド等)を残しにくい(完全には無理です)」ことを目標に治療を行います。

💊 主な治療薬・処置の比較
治療法・外用薬 特徴・目的 どのような状態に使うか
ステロイド外用薬 炎症を強力に抑え、赤みや痛みを引かせる。 受傷直後のⅠ度、浅達性Ⅱ度熱傷の初期。
プロスタンディン軟膏 潰瘍の肉を盛り上がらせ、皮膚を生えさせる。 水ぶくれが破れた後のびらん、潰瘍など
ガーゼ 軟膏を塗った後の保護。 びらん、潰瘍など
ゲーベンクリーム等 壊死した組織を取り除き、感染をコントロールする。 深達性Ⅱ度〜Ⅲ度など、深い熱傷。潰瘍。壊死組織
💡 湿潤療法について
昔のように「傷を乾かして治す」のではなく、「適切な湿潤環境を保つ」ことで、痛みを抑え、傷跡をきれいに治す治療法を積極的に取り入れています。

5. 日常生活の注意点

• 自己流の処置はNG: アロエを塗る、味噌を塗るなどの民間療法は、細菌感染の原因となるため絶対にやめてください。
• 日焼け対策: 治りかけの皮膚(赤い状態)は紫外線に非常に弱く、色素沈着(シミ)になりやすい状態です。外出時はUVケアを徹底してください。

6. やけどに関するよくあるご質問(Q&A)

Q1. 水ぶくれができてしまいました。針で潰して水を抜いたほうが早く治りますか?
A1. 絶対に潰さないでください。水ぶくれの膜は細菌の侵入を防ぐ役割があります。潰れると感染リスクが高まり、跡が残りやすくなります。そのままの状態でご来院ください。生活で困る場合は水を抜くこともありますが、極力避けるほうが良いでしょう。
Q2. 料理中に油が跳ねてやけどしました。保冷剤で冷やしてもいいですか?
A2. 基本は「流水」で冷やすことをお勧めします。
Q3. 低温やけどは普通のやけどとどう違うのですか?
A3. 低い温度(40℃〜50℃)でも、長時間皮膚に触れ続けることで深部まで熱が伝わり発症します。熱湯などのやけどでは数秒熱に触れますが、低温やけどでは8時間など熱と接するため、深くなり重症化しやすいのです。痛みを感じにくいため発見が遅れ、治るまでに数ヶ月かかることもある厄介なやけどです。
Q4. やけどは何科を受診すべきですか?
A4. 皮膚の専門家である「皮膚科」をご受診ください。ただし、広範囲のやけど(全身の10%以上など)や気道熱傷の疑いがある場合は、速やかに救急病院(救命救急センター)を受診してください。やけど後の瘢痕拘縮(関節が動きにくい)では形成外科です。
Q5. アロエを塗るとやけどに効くと祖母に言われました。本当ですか?
A5. 民間療法は推奨しません。アロエに含まれる成分が接触性皮膚炎(かぶれ)を起こしたり、細菌感染の原因になることがあります。
Q6. やけどの跡(色素沈着やケロイド)は消えますか?
A6. Ⅰ度や浅いⅡ度であれば、時間はかかりますがほとんど目立たなくなります。炎症後色素沈着は、1-2年かかることもありますが、もっと早く治ることもあります。深い熱傷の場合はケロイド状になることがあり、その場合はリザベンの内服やステロイドのテープ剤、注射などで根気よく治療を行います。ケロイドは1年など長期かかることも多いです。
Q8. 湿潤療法(キズパワーパッドなど)は自分でやってもいいですか?
A8. 市販のハイドロコロイド材は便利ですが、感染(化膿)して当院に来られる方が多いです。医療従事者が使えば問題ないのですが、一般のかたには難しいようです。感染の有無の判断は難しいため、まずは皮膚科で診察を受けることを強くお勧めします。
Q9. 治療中は入浴しても大丈夫ですか?
A9. 患部の状態によりますが、シャワーで優しく洗い流すことは感染予防の観点から推奨されることが多いです。ただし、石鹸の泡が残らないようにし、湯船に浸かるのは、潰瘍、びらんがない状態で医師の許可が出てからにしてください。
Q10. 日焼けで皮がむけてヒリヒリします。これもやけどですか?
A10. はい、医学的には「サンバーン」というⅠ度熱傷(軽度のやけど)です。しっかり冷やし、痛みが強い場合や水ぶくれができている場合は受診してください。

やけどは初期対応がその後の経過を決定づけます。「このくらいなら大丈夫」と放置せず、少しでも不安があれば、ひびきの皮ふ科へお早めにご相談ください。

執筆 ひびきの皮ふ科院長 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 小南賢吉郎 2026年3月22日

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