掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症

要約
掌蹠膿疱症は、手のひら・足の裏に小さな膿(無菌性の膿疱)を繰り返し、皮むけやひび割れを伴う慢性炎症性疾患です。
水虫や湿疹と見た目が似ることがあり、必要に応じて検査で鑑別し、外用を基本に段階的に治療を調整します。
喫煙、扁桃・歯科などの病巣感染、金属などの悪化因子が関与することがあり、治療と並行して対策します。
掌は手のひら、蹠は足の裏という意味です。
掌蹠膿疱症とは、手のひらと、足の裏に2mmくらいの小さい膿が入った袋=膿疱ができるものです。中には膿になる前の水道水のような透明な水が入った水疱があることもあります。それら膿疱が多発します。水疱のほうが多くて、膿疱が少ないこともあります。
痛いことはありません。バイ菌が入っているわけでもありません。膿疱や水疱が破れると、ドーナツ状に皮がむけます。膿疱や水疱は多いので、手のひらや足の裏全体に皮がむけたようになることもあり、一般の方は水虫と思うかもしれません。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医は、水虫との区別が必要な場合、顕微鏡検査で100倍から400倍に拡大し、水虫の菌がいるかどうかを見ます。したがって、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医でなければ診断できません。
何年も続く人が多いです。ときには金属アレルギー や扁桃炎、たばこ、虫歯が原因のことがありますのでこれをやめると治ることがあります。
まれに鎖骨、胸椎、膝、肘、腰関節、指の間の関節痛などの関節の痛みがある場合がありますのでもしこういった症状があれば医師に伝えてください。掌蹠膿疱症と関連している場合があります。
1回で治せる治療はありません。抑える治療はいろいろありますので、気長に治療しましょう。高血圧の人が血圧の薬で抑えているようなものです。しかし、放っておくと、日常生活に支障があるので、治療を続けるのが普通です。例えば、見た目が悪いと思う人もいます。また握るのに困る場合もあります。歩くのに困る場合もあります。ですから治療はしたほうが良いでしょう。


掌蹠膿疱症は、水虫との鑑別が重要になることもあります。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が顕微鏡を使って、真菌(カビ)の有無を確認します。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医は、水虫との区別が必要な場合、顕微鏡検査で100倍から400倍に拡大し、水虫の菌がいるかどうかを見ます。したがって、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医でなければ診断できません。正確な診断が必要ですので日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を受診しましょう。

掌蹠膿疱症の原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与していることがあります。
これらの原因を取り除くことで、症状が改善されるケースもあります。
掌蹠膿疱症に伴い、まれに鎖骨、胸椎、膝、肘、腰などの関節に痛みが生じることがあります。このような症状がある場合は、医師に報告しましょう。関節の痛みと掌蹠膿疱症は関連している場合があります。

炎症を取る塗り薬をまずは使います。ビタミンDの塗り薬は予防できたり、わずかに治療効果もあり、ガサガサを取る効果があります。それでもだめなら、光治療を行います。当院にはエキシマライトという機械がありますので、これを当てて治療します。塗り薬よりも効果が高いです。内臓の副作用はありません。週1回程度来られる方が多いですが、週2回までは保険が使え、すればするほど効果があります。
これでもだめならビタミンAの飲み薬があります。副作用は、唇が乾燥したり、亀裂が入ることがあります。この場合は薬の量を減らします。まれですが、肝臓を痛めることもあるので、ときどき採血をしてチェックをします。唇の乾燥や亀裂には塗り薬をつかって押えればだいたい大丈夫です。つかえなければ中止します。
2025年3月、オテズラという飲み薬が保険で使えるようになりました。当院では使用可能です。当院では何年も前から尋常性乾癬で使っている薬です。ビタミンAの飲み薬の副作用はありません。腹痛、下痢が一部の人に起こります。しかし、多くの人は問題なく使え、生活の質が改善するでしょう。
掌蹠膿疱症は、完治が難しい疾患ですが、治療を続けることで症状をコントロールすることが可能です。
1回で治せる治療はありません。抑える治療はいろいろありますので、気長に治療しましょう。高血圧の人が血圧の薬で抑えているようなものです。しかし、放っておくと、日常生活に支障があるので、治療を続けるのが普通です。例えば、見た目が悪いと思う人もいます。また握るのに困る場合もあります。歩くのに困る場合もあります。ですから治療はしたほうが良いでしょう。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の指導の下で適切な治療を継続することが重要です。
| 区分 | 代表例 | 期待できること | 注意点(一般的) | こんな方に |
|---|---|---|---|---|
| 外用(第一選択) | ステロイド外用、ビタミンD外用など | 炎症・角化の改善、再燃予防 | 塗り方・量が重要。自己判断で中断しない | まず全員の基本 |
| 光線療法 | エキシマライト/局所UV | 外用より効果が上がることがある | 通院頻度が必要 | 外用で不十分な方 |
| 内服(段階的に追加) | レチノイド系(ビタミンA誘導体) | 角化・炎症の改善 | 唇の亀裂、採血でのチェックなど | 光線でも不十分な方 |
| 内服(新しい選択肢) | アプレミラスト(オテズラ) | 難治例の改善が期待 | 下痢・腹痛などが出ることがある | 「難治性」で検討 |
| 注射(生物学的製剤) | グセルクマブ等 | 既存治療で不十分な例に | 大きい病院にご紹介します。 | 中等度以上/難治例 |
※上表は一般的な整理です。適応・選択は重症度、合併症、生活背景で変わります(診察で調整)。
ポイント
掌蹠膿疱症は何年も続くことが多いですが、皮膚科でコントロールすれば、生活の質が上がります。当院のある北九州エリア(北九州市八幡西区、若松区、遠賀町、岡垣町、水巻町、芦屋町、中間市)などでお困りのかたはひびきの皮ふ科でご相談ください。
執筆 ひびきの皮ふ科院長 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 小南賢吉郎 2026年2月16日