痒疹(ようしん)

痒疹とは?症状と治療法について
痒疹(ようしん)は、1cmほどの赤く硬いゴリゴリした発疹です。
結節性痒疹は、全身に多数の痒疹が現れ、強いかゆみを伴うものです。かゆみのために掻いてしまうことで症状が悪化しやすいのが特徴です。ヨーロッパでは、掻くこと自体が症状を悪化させる原因とされています。
多型慢性痒疹は、痒疹に加えさらに赤く分厚い皮膚が形成され、発疹が全身に広がるものです。
これら疾患の背景には、アトピー性皮膚炎や悪性腫瘍など、さまざまな要因が関与している可能性があります。かゆみは非常に強く、数年間続くことも珍しくありません。悪性腫瘍(菌状息肉症 成人T細胞白血病リンパ腫などの皮膚悪性リンパ腫など)が疑われれば皮膚生検といって細胞を取る検査をして顕微鏡検査で調べます。
痒疹の治療方法
痒疹の治療では、まず炎症を抑えるために軟膏が処方されることが一般的です。ひっかいて悪化し続くことも多いので、かゆみを抑える飲み薬も使います。1種類では抑えられないことも多いので、複数の薬を追加する場合があります。しかし、かゆみが強く、症状が改善しにくい場合も多いため、アトピー性皮膚炎などの場合は、次のような先進的な治療法が使用されることもあります。
- エキシマライト:最新の光線療法で、紫外線の中でも治療効果が高く、安全な波長のみを使用します。内臓への副作用がなく、塗り薬に比べて高い効果が期待できるため、痒疹治療において有効です。広くない範囲の場合に使います。
- 全身型紫外線治療装置 ナローバンドUVB:広範囲の場合は全身に照射できる紫外線治療装置を使います。
- 紫外線治療は、有害な波長をカットし、治療に有効な波長だけを取り出したもので安全なものです。内臓への副作用がなく、塗り薬よりも高い効果が期待できます。週1回程度来られる方が多いですが、週2回までは保険が使え、すればするほど効果があります。
紫外線治療は週に1回来られる方が多いですが、週に2回まで可能です。頻度、回数が高いほどより高い効果が得られます。ご都合に合わせて通院回数は自由です。
まとめ
痒疹は、長期間にわたる強いかゆみや発疹が特徴の皮膚疾患です。早期の治療が症状の改善に繋がるため、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医による診察と適切な治療が重要です。エキシマライトや全身紫外線治療など、先進的な治療法も活用する場合もあり、生活の質を向上させるサポートを行います。