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痒疹

痒疹|北九州市八幡西区学研都市ひびきの、本城学研台の皮膚科専門医による皮膚科、アレルギー科。

痒疹(ようしん)

 
 
💡 この記事の要約
痒疹とは:
虫刺されのような硬いしこり(結節)ができ、夜も眠れないほどの「激しいかゆみ」を伴う難治性の皮膚疾患です。
主な原因:
虫刺され、アレルギー、アトピー性皮膚炎のほか、内臓疾患やストレスなどが複雑に絡み合い、慢性化しやすい特徴があります。
当院の治療:
ステロイド外用薬から、光治療まで、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の視点で北九州市にお住まいの皆様の肌環境に合わせた最適な治療を提供します
痒疹(ようしん)
掲載同意済

赤くゴリゴリ硬いものがいっぱいあります。

赤くゴリゴリ硬いものがいっぱいあります。痒疹 転載禁止

結節性痒疹 赤くゴリゴリ硬いものが多いです。

結節性痒疹 赤くゴリゴリ硬いものが多いです。転載禁止

結節性痒疹 両手に赤いゴリゴリ硬いものが多発しています。

結節性痒疹 両手に赤いゴリゴリ硬いものが多発しています。転載禁止

痒疹結節以外に紅色局面、苔癬化もありました。

多型慢性痒疹 痒疹結節以外に紅色局面、苔癬化もありました。転載禁止

痒疹

ひびきの皮ふ科にご来院される患者様の中でも、「かゆくて夜も眠れない」「市販薬を塗っても一向に治らない」と深くお悩みの方が多い疾患の一つが「痒疹(ようしん)」です。

 

かゆみは痛み以上に我慢が難しく、日常生活や仕事のパフォーマンス、さらには精神面にも大きな悪影響を及ぼします。

本ページでは、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の観点から、痒疹の正しい知識、最新の治療法、そして北九州という地域特性に合わせたセルフケアまで、詳しく・分かりやすく解説いたします。

 
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痒疹(ようしん)とは?主な症状と種類

痒疹とは、皮膚に数㎜から1cmくらいの赤く硬いゴリゴリした盛り上がり(丘疹・結節)ができ、非常に強いかゆみを伴う病気です。かきむしることで症状が悪化し、さらにかゆみが強くなる「イッチ・スクラッチ・サイクル(かゆみと掻破の悪循環)」に陥りやすいのが特徴です。

 
📊 痒疹の主な種類と特徴
急性痒疹
特徴:主に虫刺されに対するアレルギー反応。数日〜数週で治癒することが多い。
好発部位:露出部(腕、足など)
発症しやすい年代:小児(ストロフルスなど)に多い
多型慢性痒疹
多型慢性痒疹 痒疹結節以外に赤く盛り上がったもの、苔癬化が散在していました。

多型慢性痒疹 痒疹結節以外に赤く盛り上がったもの、苔癬化が散在していました。転載禁止

 
特徴:結節以外に広く盛り上がった苔癬化が全身に多発。
好発部位:全身
発症しやすい年代:成人
結節性痒疹
結節性痒疹 4mm台までの赤く隆起した硬いものが多発しています。

結節性痒疹 4mm台までの赤く隆起した硬いものが多発しています。転載禁止

特徴:硬く盛り上がった「結節」となり、数ヶ月〜数年単位で治らない。非常に難治性。ヨーロッパでは、掻くこと自体が症状を悪化させる原因とされています。
好発部位:四肢(特に手足のすねや腕)
発症しやすい年代:中高年〜高齢者
 
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なぜ痒疹になるの?(原因と悪化要因)

痒疹の原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合って発症します。原因がはっきりしないことも多いです。悪性腫瘍(菌状息肉症 成人T細胞白血病リンパ腫などの皮膚悪性リンパ腫など)が疑われれば皮膚生検といって細胞を取る検査をして顕微鏡検査で調べます。

• 虫刺され(主なキッカケ): 蚊、ブヨ、ダニなどの虫刺されが発端となることが非常に多いです。
• アトピー性皮膚炎・アレルギー: アトピー素因を持つ方は、バリア機能が低下しており痒疹を合併しやすいです。
• 内臓疾患のサイン(重要): 腎臓病(透析中など)、肝臓病、糖尿病、甲状腺疾患、胃腸障害、まれに悪性腫瘍が隠れている場合があります。
• ストレスと疲労: 精神的なストレスは自律神経を乱し、かゆみを感じる神経を過敏にさせます。
• 引っ掻くこと: 引っ掻くと新たに痒疹ができます。
 
 
🗾 北九州の地域特性と痒疹の関係(当院からのアドバイス)

当院のある北九州市エリア(北九州市八幡西区、若松区、遠賀町、岡垣町、水巻町、芦屋町、中間市)は、海と山に囲まれた自然豊かな環境である一方、工業都市としての歴史も持ち合わせる独特の気候・環境です。

手に痒疹以外に赤く盛り上がったものもある。多型慢性痒疹

手に痒疹以外に赤く盛り上がったものもある。多型慢性痒疹 転載禁止

玄界灘の冬の乾燥と、盆地特有の夏の湿気
冬は玄界灘からの冷たい風により空気が乾燥し、皮脂分泌が減ることで「乾燥性のかゆみ」が痒疹を悪化させます。一方、夏場は湿度が高く、皿倉山周辺などでのアウトドアや草むしり時に虫刺され(ブヨやダニ)に遭い、そこから結節性痒疹へと移行する患者様が当院でも毎年見受けられます。
 
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皮膚科専門医が教える痒疹の治療ステップ

痒疹の治療のゴールは、「かゆみゼロ」の状態を作り、皮膚のしこり(結節)を平らにすることです。中途半端な治療では再発するため、段階的かつ徹底的な治療を行います。

 
🔄 治療のステップ
【ステップ1:初期治療・軽症〜中等症】
▶ 外用薬(非常に強いステロイド軟膏)の徹底塗布
▶ 抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服
【ステップ2:難治性・中等症〜重症】
▶ 紫外線療法(エキシマライト、全身型ナローバンドUVBでかゆみの神経を鎮める。アトピー性皮膚炎の場合)
 
💊 痒疹の治療薬・治療法比較表
ステロイド外用薬
 
期待できる効果:局所の強い炎症を抑える
メリット:即効性があり、基本となる治療
注意点・副作用:異常ない皮膚に長期漫然と使用すると皮膚が薄くなる(皮膚科専門医の管理下で使用するべき)
ステロイドテープ剤
期待できる効果:結節(しこり)を平らにする
メリット:掻破防止(物理的な保護)にもなる
注意点・副作用:貼る手間がかかる。かぶれることがある。あまり使いません。
抗アレルギー剤、抗ヒスタミン内服薬
期待できる効果:全身のかゆみを抑える。引っ掻くことで痒疹ができ、悪化することも多いので、引っ掻くのをおさえて痒疹をできなくします。
メリット:手軽に服用でき、夜間の睡眠をサポート
注意点・副作用:抗ヒスタミン薬は眠気が出ることがある。何種類稼働時に飲んでやっと痒みが治まることも多い。
紫外線療法(光線療法)
期待できる効果:かゆみ神経の過敏を抑え、炎症を鎮静。
エキシマライト:最新の光線療法で、紫外線の中でも治療効果が高く、安全な波長のみを使用します。内臓への副作用がなく、塗り薬に比べて高い効果が期待できるため、痒疹治療において有効です。広くない範囲の場合に使います。
エキシマライト

エキシマライト

全身型ナローバンドUVB:広範囲の場合は全身に照射できる紫外線治療装置を使います。
メリット:紫外線治療は、有害な波長をカットし、治療に有効な波長だけを取り出したもので安全なものです。内臓への副作用がなく、塗り薬よりも高い効果が期待できます。週1回程度来られる方が多いですが、週2回までは保険が使え、すればするほど効果があります。
注意点・副作用:週1〜2回の定期的な通院が必要(頻度、回数が高いほどより高い効果が得られます。ご都合に合わせて通院回数は自由です。)
生物学的製剤(注射薬)
期待できる効果:かゆみと炎症の「原因物質」を直接ブロック
メリット:劇的な効果。長年の悩みから解放される可能性
注意点・副作用:医療費が高額になる(高額療養費制度の対象)。大きい病院に紹介します。
 
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早く治すための日常生活の注意点(セルフケア)

• 絶対に「かかない」工夫を: かけばかくほど神経が伸びてきてかゆみが増します。どうしてもかゆい時は、保冷剤をタオルで包んで患部を冷やしてください。
• 北九州の気候に合わせた保湿: 冬場の乾燥はもちろん、夏場もエアコンで肌は乾燥します。乾燥肌の方の場合は、お風呂上がりは「3分以内」に保湿剤をたっぷり塗りましょう。
• 熱いお風呂は避ける: 40度以上の熱いお湯はかゆみを誘発します。38〜39度のぬるめの湯船に浸かるか、シャワーで済ませましょう。乾燥肌の人はナイロンタオルでゴシゴシ洗うのは厳禁です。
• 刺激の少ない衣服を: チクチクするウールや、化学繊維(発熱インナーなど)は避け、綿100%やシルクなど肌触りの良いものを選んでください。
 
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痒疹に関するQ&A(よくあるご質問)

Q1. 痒疹は人にうつりますか?
A. うつりません。ウイルスや細菌の感染症ではなく、ご自身の免疫やアレルギー反応によるものですので、ご家族と一緒のお風呂に入っても大丈夫です。
Q2. 治るまでにどれくらいの日数がかかりますか?
A. 虫さされなど、急性のものであれば数週間で治ることもありますが、多形慢性痒疹、結節性痒疹の場合は数ヶ月から年単位の治療が必要になることが多いです。根気よく治療を続けることが大切です。
Q3. 市販のかゆみ止めを使ってもいいですか?
A. 軽度の一時的なかゆみなら良いですが、痒疹のようにしこりになっている場合、市販薬では有効成分の強さが足りず、かえって慢性化を招く恐れがあります。早めに専門医を受診してください。
Q4. 食べ物で気をつけることはありますか?
A. アルコールや香辛料(激辛料理など)は、かゆみを急激に悪化させるため、治療中は控えることをお勧めします。
Q5. 子供でも痒疹になりますか?
A. はい、小児でも虫刺されをきっかけに「ストロフルス」という急性痒疹を発症することがよくあります。放置するととびひ(伝染性膿痂疹)を合併することがあるため注意が必要です。この場合、当院では痒疹と言わず、単に虫さされと呼んでいます。
Q6. ストレスでかゆみは悪化しますか?
A. 大きく関係しています。ストレスや寝不足は自律神経のバランスを崩し、かゆみを感じやすくさせます。リラックスできる時間を持つことも立派な治療の一つです。
Q7. 跡(色素沈着)は残りますか?
A. 強くかきむしったりして炎症が強かった場所は、茶色いシミ(炎症後色素沈着)として残りやすいです。しかし、炎症がなければ2年もあれば消えます。まずは炎症を完全に抑えることが最優先です。炎症が治まれば、時間はかかりますが徐々に薄くなっていきます。
Q8. 内臓の病気が隠れているというのは本当ですか?
A. 全員ではありませんが、多形慢性痒疹で癌があることもあります。全身に痒疹が多発する場合、腎機能障害、肝障害、糖尿病などが隠れていることがあります。必要に応じて血液検査等をお勧めする場合があります。
Q9. ステロイドの副作用が怖いのですが…。
A. 痒疹の治療には「十分な強さのステロイド」を「適切な期間」使うことが最も安全で確実です。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の指導のもとで使用する量や回数をコントロールすれば、全身の副作用を心配する必要はほとんどありません。
執筆 ひびきの皮ふ科院長 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 小南賢吉郎 2026年4月4日

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