ひびきの皮ふ科
小児皮膚科の診療方針
お子様のバリア機能が未熟でデリケートな肌を守るため、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が専門的な診察と治療を行います。冬の玄界灘からの冷たい風による乾燥や、春先の黄砂・PM2.5など、北九州特有の気候・環境に合わせた実践的なスキンケアを指導。炎症をとる外用薬の正しい使い方から日常の保湿ケアまで、ご家族の不安に寄り添い、お子様の「健やかな肌」を一緒に育てていきます。
湿疹 6ヶ月の赤ちゃんは首が短く太っているので皮膚がこすれ、蒸れて湿疹ができます 転載禁止
異所性蒙古斑 赤ちゃんの青あざ
にきび うみ、赤いブツブツがあります 転載禁止
当院は多くのお子さんにもご来院いただいております。
とびひ(伝染性膿痂疹)、アトピー性皮膚炎 乾燥性湿疹、乾燥肌、虫さされ、たむし、手湿疹 マスク皮膚炎、金属アレルギー 多汗症、腫瘍(できもの) 太田母斑(青あざ) 扁平母斑(茶アザ) 蒙古斑(青あざ)、あざ、そばかす、爪の病気 蜂窩織炎、口唇ヘルペス、けが(すり傷、切り傷、裂創、刺創など)、皮膚のかゆみ(皮膚そう痒症) 、日焼け(赤、黒)、にきび、脂漏性皮膚炎 しもやけ、白斑、ほくろ、いぼ、やけど、帯状疱疹、湿疹、痒疹、じんましん、たこ、うおのめ、みずむし。 などで来られる方が多いです。
皮膚の病気は1000以上あると言われており、そのほかにもかなり多くの病気があります。これらを区別して診断するには皮膚だけを専門にして10年訓練期間はかかりますので、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医への受診が必須です。
アトピー性皮膚炎と区別が必要な菌状息肉症(皮膚悪性リンパ腫) 転載禁止
アトピー性皮膚炎と区別が必要な菌状息肉症(悪性リンパ腫)転載禁止
湿疹、アトピー性皮膚炎などの系統では、菌状息肉症などの皮膚の悪性リンパ腫などとの区別が必要ですので、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の受診が必要です。これらの診断は非常に専門性が高いので、何回かの受診や、定期的に受診してやっと分かったり、長期間たたないと典型的な症状が出ないこともあるため、一度皮膚科で診断されても、あとで診断が変わることがあります。そのため、定期的な日本皮膚科学会認定皮膚科専門医への受診が必要です。
ひびきの皮ふ科が考える「お子様の肌」を守るケア
お薬だけでなく、原因の見立て・塗り方・ご家庭での習慣づくりまで。北九州の気候環境もふまえてサポートします。
子どもの皮膚は大人の約半分の薄さしかなく、水分を保つ機能(バリア機能)が非常に未熟です。 そのため、少しの摩擦や乾燥、アレルゲン(ダニ・ほこり・花粉など)の侵入によって、 すぐに赤みや痒みが生じてしまいます。
当院では、単にお薬を処方するだけでなく、 「なぜその症状が出ているのか(原因)」、 「どのように薬を塗ればいいのか(治療と対処法)」もお伝えし、 ご家庭での正しいスキンケアが習慣づくようサポートしています。
図:お子様の肌トラブルが
起こりやすい理由
大人よりバリア機能が弱い
摩擦・乾燥・花粉・
ダニ・ほこり
掻くと悪化しやすい
再発しにくい肌づくりへ
ポイント:「炎症を抑える治療」と「バリア機能を整える保湿・生活ケア」を一緒に進めることが大切です。
代表的なお子様の肌トラブル:
症状・原因・治療法
慢性的な強いかゆみ、顔や首、関節の内側などに左右対称に現れるカサカサ・ジュクジュクした湿疹。
遺伝的な肌のバリア機能低下(フィラグリン異常など)に加え、アレルゲン(ダニ、ほこり、食べ物)や
汗、乾燥などの環境要因が重なって発症します。
炎症を抑える外用薬(新しい抗炎症薬を含む)と、バリア機能を補う保湿剤を併用します。
生後2週間〜1ヶ月の赤ちゃんのおでこや頬、頭皮にできる赤いブツブツや赤み。
赤ちゃん用に調整した強さの外用薬を短期間使用します。
虫刺されやあせもを掻きむしった傷口から細菌が入り、水ぶくれができ、それが破れて周囲に広がっていく症状。
何もないところにもできます。
黄色ブドウ球菌や溶連菌などの細菌感染。
原因菌に合わせた抗菌薬の飲み薬・塗り薬を使用します。患部をガーゼで覆い、他の部位や他の人にうつらないようにします。
治療薬の比較表
(外用薬の違い)
| 薬の種類 | 役割・効果 | メリット | 注意点・デメリット |
|---|---|---|---|
| 保湿剤 | 水分を補い、逃さないようにしてバリア機能を回復。 | 副作用がほぼなく、毎日全身に使用可能。 | 炎症(赤み・かゆみ)を直接抑える力はない。 |
| 炎症を抑える外用薬 | 炎症を強力に抑え、赤みや痒みを素早く鎮める。 | 症状の悪化を防ぎ、短期間で肌を綺麗な状態に戻す。 | 皮膚科専門医の指示通りの量と期間を守る必要がある(自己判断での中断はNG)。 |
| 新しい抗炎症外用薬(モイゼルト/コレクチム等) | ステロイドとは違うアプローチで炎症を抑える。 | 長期使用でも皮膚が薄くなる副作用がない。 | 一部に効かない人がいます。その場合は変更か、追加をします。 |
北九州の気候環境に
合わせた日常生活の
注意点・アドバイス
当院のある北九州エリア(北九州市八幡西区、若松区、遠賀町、岡垣町、水巻町、芦屋町、中間市)では、海と山に囲まれた自然豊かな環境である一方、お子様の肌に影響を与える特有の気候条件があります。
冬の「玄界灘からの冷たい季節風」対策
北九州の冬は、大陸からの乾燥した空気がやってきます。また、北西からの冷たい風が吹き付け、お肌の水分を急激に奪います。お風呂上がりは「5分以内」に保湿剤をたっぷりと塗ることが重要です。また、暖房による室内の乾燥にも注意し、加湿器を併用して湿度を50〜60%に保ちましょう。
春〜初夏の「黄砂・PM2.5」対策
地理的に大陸に近いため、春先は黄砂やPM2.5の飛来が多くなります。これらが肌に付着すると、バリア機能が低下したお子様の肌ではアレルギー反応や湿疹の原因となります。これが明らかなお子さんは外遊びから帰ったら、まずはシャワーで優しく汚れを洗い流すことを試してみましょう。効果が無ければやめれば良いです。
夏の「高温多湿」対策
夏場は非常に蒸し暑く、あせも(汗疹)やとびひが悪化しやすい環境です。汗をかいたら学校の水で流せるところだけ汗を流しましょう。通気性の良い綿100%の衣服などを選んでためしてあげてください。
| 季節 | 起こりやすこと | 家庭でのポイント |
|---|---|---|
| 冬 | 乾燥・かゆみの悪化 | 入浴後5分以内の保湿/加湿器で50〜60% |
| 春〜初夏 | 黄砂・PM2.5刺激 | 外遊び後にやさしく洗い流す(合う子のみ) |
| 夏 | 汗・あせも・とびひ悪化 | 汗を流す/綿100%など通気性の良い衣類 |
小児皮膚科
よくある質問(Q&A)
ステロイドは怖いイメージがあるのですが、使わないとダメですか?
正しく使えば、湿疹治療で非常に有効です。問題になりやすいのは「自己判断で長く使う」「必要な強さで使えていない」場合です。皮膚の病気は1000以上あり、ステロイドも数十種類あるので、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医でないと使いこなせません。部位・症状に合わせて皮膚科で調整するのが安全です。
保湿はいつから始めればいいですか?
乾燥する場合は、生後すぐからの保湿をおすすめしています。乾燥する子の場合、新生児期からしっかりと保湿ケアを行うことで、乾燥性湿疹の予防になります。
子どものアトピー性皮膚炎は将来治りますか?
アトピー性皮膚炎は、一生治らないわけではなく、いつかは治ります。適切な治療とスキンケアを継続すれば、成長とともにバリア機能が発達し、多くのお子様は症状が出なくなります。数年で治る子も多いです。しかし、大人まで続く人も少数います。また、一度治って、大人から再度でる人もいます。自己判断で治療を中断しないことが完治への近道です。
とびひになったら保育園・幼稚園は休むべきですか?
病変部をガーゼや包帯で完全に覆うことができれば登園可能です。ただし、広範囲に広がっている場合や、ジュクジュクしている場合は、他のお子様にうつる可能性があるためお休みを検討する場合もあります。
乳児湿疹は石鹸で洗ってもいいですか?お湯だけが良いですか?
お湯だけでは皮脂汚れが落ちきらないため、1日1回はよく泡立てたベビーソープで優しく(手を使って)洗ってあげてください。洗った後は必ずたっぷりと保湿をしましょう。
北九州の黄砂の時期、外遊びで気をつけることはありますか?
黄砂のニュースなどの直後-1週間くらいで湿疹ができることが明らかな場合、黄砂皮膚炎の可能性があります。この場合は、肌の露出をなるべく減らし、長袖や帽子を着用するのが有効です。また、外出前に保湿剤を塗っておくことで、肌の表面に膜ができ、微粒子から肌を守るバリア効果が期待できることもありますが、これは良いか悪いか試す必要があります。
冬の乾燥肌対策、加湿器以外に何ができますか?
お風呂の温度が高すぎると皮脂が溶け出して乾燥が進むため、38〜39度のぬるめに設定してください。また、ナイロンタオルでゴシゴシ洗うのは避け、たっぷりの泡で撫でるように洗いましょう。
兄弟で同じ塗り薬を使ってもいいですか?
同じように見える湿疹でも、年齢や症状の程度によって適切な薬の強さや種類が異なります。副作用の原因になることもあるため、自己判断での使い回しは避けていただき、ご受診をお願いします。また、保険医療制度の決まりから使うことはできません。
子どもが突然痒がり出しました。予約なしでも受診できますか?
はい、受診可能です。当院では日時の予約はしておりません。待ち時間を減らし、お子様の負担を軽減するために、可能な限りWebからの順番受付をご利用いただくことをおすすめしております。順番になったら呼ばれます。
ひびきの皮ふ科 小児皮膚科の考え方
お子様の未熟なバリア機能を守るため、原因の見立てと適切な治療を大切にします。ステロイド外用薬を含め、薬は正しく使うことで効果と安全性を高めます。北九州の気候(冬の乾燥、春の黄砂・PM2.5、夏の高温多湿)に合わせた実践的なケアをお伝えします。ご家族の不安に寄り添い、お子様の「健やかな肌」を一緒に育てていきます。
執筆
ひびきの皮ふ科 院長 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 小南賢吉郎
2026年2月25日